わたしの同潤会アパート展
由来や名前は知らなくても、表参道の気になる建物、下町の街角で見かけた不思議なたたずまいなど、同潤会アパートほど日常的に親しまれてきた近代建築はありません。その同潤会アパートも、この春(2003年当時)、清砂通り、大塚女子、江戸川、青山の4ヵ所が解体され、ほとんどが姿を消してしまいました。日本建築学会建築博物館では、多くの人に愛されたアパートを、さまざまな視点を交え紹介。同潤会アパートから感じる豊かさとは何か、そこからわたしたちが受け継いでいくものは何か、そして根底に流れていたのは何かを再考します。皆様なりの「わたし」の同潤会アパートをお持ち帰りください。
展覧会では、同潤会アパートの解体時に取り外した建具や金物から、エレベーターの扉、階段手摺まで、数多くの実際の部材を展示しました。江戸川アパートから採集した蔦の葉と土を入れたポケット付きの記念図録のほか、江戸川アパート・大塚女子アパートを撮影したDVD販売を行いました。また展覧会に加え、同建物内の建築会館ホールにて3つのイベントを開催しました。
◆展覧会
会期:2003.11.10-11.30
場所:日本建築学会建築博物館ギャラリー
◆イベント1
日時:2003.11.15 土 10:00〜12:00
映像上映ワークショップ(入場無料)同潤会アパートは人々の目にどのように刻まれたのか。映像作品を通して今は亡き同潤会アパートを振り返る。
◆イベント2
日時:2003.11.15 土 13:00〜17:00
記念講演会(参加費1000円・同時通訳付・資料代込)「世界の社会住宅における同潤会アパートメント 米国を中心とする文脈のなかで」 ” Social Housing Trials in 20′-Apartment Houses of Doujunkwai Foundation As in Japan”
講演:リチャード・プランツ(コロンビア大学教授)
◆イベント3
日時:2003.11.22 土 10:00〜17:00
ドキュメント (入場料1000円・資料代込み)「証言:同潤会アパートが消えてきた姿」消滅を惜しむ声がある一方で、様々な立場の当事者の葛藤と苦闘の証言から消滅したプロセスをたどり、これからの集合住宅の将来について考える。
主催 :日本建築学会「わたしの同潤会アパート展」実行委員会
共催 :同潤会の建築を考える会、江戸川アパートメント研究会、旧同潤会大塚女子アパートメントを生かす会
特別協力:都市情報化フォーラム
協賛:住宅生産振興財団・東京ガス株式会社
後援:都市基盤整備公団
協力:株式会社キジュウロウヤハギ