2023.11.18 – 12.3
SH−1から70年、肆木の家から40年

ヒロカマ/広瀬鎌二 展

日本建築学会・建築博物館では、開館20周年にあたる2023年度の主催展覧会として、「ヒロカマ/広瀬鎌二展 -SH01から70年、肆木の家から40年−」を開催しました。広瀬鎌二(1922〜2012)は、昭和戦後に「SHシリーズ」と呼ばれる一連の鉄骨造住宅作品を発表し、また武蔵工業大学(現・東京都市大学)の教授として多くの人材を建築界に輩出してきたことで知られる建築家です。
この展覧会を企画した理由は、広瀬鎌二の資料が弟子を中心とする関係者(広瀬鎌二アーカイブズ研究会)の継続的な努力によって良好に整理・保存・活用されてきたことに注目し、建築家だけでなくそのアーカイブズ活動自体にも注目して紹介することで、全国の建築アーカイブズ関係者に対して活用のヒントが提示できるのではと考えたことによります。
展示空間は大きく三つのゾーンに分けられ、「第1章 広瀬鎌二建築技術研究所の時代 1952(29歳)〜1966(43歳)」では、「SHシリーズ」の連作を発表した前期の活動がパネルと「SH-30」の1/30模型で紹介され、「第2章 武蔵工業大学・広瀬研究室の時代 1966(43歳)〜1993(70歳)」以降では、母校である武蔵工業大学に戻り、教育者として学生と向き合った時期の活動を、特にその時期の代表作である「肆木の家」の原図や写真パネル、1/30模型や原寸木組み模型などによって紹介しています。そして、ギャラリーの中庭には、第一期の代表作である「SH-1」と「SH-30」の鉄骨原寸モデルを展示しました。
展覧会開催にあわせて建築会館ホール開催された講演会では、4名の専門分野の異なる研究者にご登壇いただき、材料、構法、歴史、意匠と、生涯にわたって多様な関心を示し続けた建築家・広瀬鎌二の人物像と、その活動が示唆する現代的な意味について、講演とディスカッションを通じて考える貴重な機会となりました。

◆展覧会
会期:2023年11月18日(土)〜12月3日(日)
場所:建築会館ギャラリー
◆シンポジウム
日時:2023年11月18日(土)13:00〜16:30
場所:建築会館ホール

主催:ヒロカマ展実行委員会
建築学会建築博物館委員会 三宅理一、山﨑鯛介、岩岡竜夫、和田菜穗子
広瀬鎌二アーカイブズ研究会 矢野和之、尾形光男、平賀竜之助、三田知男、寺内朋子、堀越一希
東京都市大学 勝又英明、小見康夫、中川純、岡山理香

協力:
八光建設株式会社
有限会社 八田建築事務所
株式会社 文化財保存計画協会
マテリエ株式会社
東京工業大学環境・社会理工学院建築学系山﨑研究室
東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科小見研究室
東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科中川研究室
東京理科大学創域理工学部 建築学科岩岡研究室
広瀬 徹
海津 敦子(アールツー・デザインシステム)
日暮 雄一( 日暮写真事務所)

会場入口|撮影 日暮雄一
会場風景|撮影 日暮雄一
会場風景|撮影 日暮雄一
会場風景|撮影 日暮雄一
第1章 広瀬鎌二建築技術研究所の時代|撮影 日暮雄一
パネル展示|撮影 日暮雄一
パネル展示|撮影 日暮雄一
SH-30 模型|撮影 日暮雄一
SH-30 模型|撮影 日暮雄一
SH-30 模型|撮影 日暮雄一
SH-30 模型|撮影 日暮雄一
第2章 武蔵工業大学広瀬研究室の時代|撮影 日暮雄一
第3章 集大成としての肆木の家|撮影 日暮雄一
パネル展示|撮影 日暮雄一
肆木の家 模型|撮影 日暮雄一
肆木の家 継手模型|撮影 日暮雄一
肆木の家 継手模型|撮影 日暮雄一
第4章 『羐迷録』|撮影 日暮雄一
広瀬研究室 夏ゼミ旅行|撮影 日暮雄一
広瀬鎌二の著作とスケッチ|撮影 日暮雄一
広瀬鎌二のスケッチ|撮影 日暮雄一
中庭の展示風景|撮影 日暮雄一
SH-1とSH-30の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
SH-1とSH-30の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
SH-1の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
SH-1 詳細|撮影 日暮雄一
SH-1 詳細|撮影 日暮雄一
SH-1の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
SH-30の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
SH-30詳細|撮影 日暮雄一
SH-30詳細|撮影 日暮雄一
SH-30の原寸鉄骨フレームモデル|撮影 日暮雄一
会場構成図|東京理科大学岩岡研究室作成
原寸鉄骨フレームモデルの設営準備|撮影 岩岡竜夫
SH-30 原寸鉄骨フレームモデルの組立|撮影 山﨑鯛介
会期終了後に再び解体・搬送|撮影 山﨑鯛介
展覧会チラシ|PDF
シンポジウムチラシ|PDF