妻木頼黄の都市と建築 展
日本近代の建築の流れは、欧米のそれに較べますと、大きく異なるように思われます。建築の流れの本流が、官庁中心にあり、建築設計面におきましても、官庁営繕が主導してきたところが強く認められるからであります。その中心にいて、日本近代の建築の流れの方向性と枠組みをかたちづくったのが妻木頼黄であります。妻木頼黄を明治建築界の三巨頭のひとりとする所以であります。また、妻木頼黄は、本会創立者のひとりでもあります。
妻木頼黄の蔵書類につきましては、妻木頼黄の没後(大正五年)程なくして本会に寄贈され、現在、本会図書館所蔵「妻木文庫」として広く利用に供されているところであります。また、昭和五〇年代には、妻木頼黄御令孫野津巻良郎様より「妻木頼黄木彫像」が本会に寄贈され、今回更に、妻木頼黄家文書類(「妻木頼黄家資料」)が本会に寄せられたことにより、妻木頼黄に関する資料が一括して本会におきまして保存公開される運びとなりました。
妻木頼黄は、明治二〇年代初頭に東京市区改正委員会取調嘱託として家屋建築取調條例案の作成に従事し、ドイツ人建築家により立案された首都東京における官庁集中計画と帝国議会議事堂本建築の計画に深く関与したほか、日比谷から馬場先通り、有楽町にかけての要地に建設された日本勧業銀行本店、東京商業会議所、東京府庁舎の各建築の設計監督にあたったことが知られています。本展示は、「妻木頼黄家資料」のお披露目を兼ね、「妻木頼黄家資料」と「妻木文庫」を主として用いて、妻木頼黄の目指した明治の「都市と建築」像を探ろうとするものです。
「妻木頼黄家資料」を御寄贈いただきました妻木頼黄ご遺族をはじめ、本展示にご協賛いただきました方々に深く感謝申し上げます。
2014年4月 日本建築学会建築博物館 館長 内田 祥哉
◆展覧会
会期:2014年4月10日(木)〜4月23日(水)
場所:建築会館ギャラリー
主催:一般社団法人日本建築学会
キュレーション:妻木頼黄展WG
主査/堀勇良、委員/中島智章、二村悟、初田香成、堀内正昭、横手義洋
協力:工学院大学、昭和女子大学、東京大学、東京造形大学、東京電機大学、藤女子大学
協賛:(株)oiseauオアゾ、(株)岡部憲明アーキテクチャーネットワーク、(有)播設計室、鹿島建設(株)、平剛風アトリエ、千葉トヨペット(株)、東急建設(株)、(株)三菱地所設計、稲田達夫、中島智章、中谷正人、渡辺真弓





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